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2019年6月 9日 (日)

言葉の移りゆき(414)

さまざまな表記は望ましくない


 外務省が使う国名の基準となる「在外公館名称位置給与法」の改正法が成立して、外国名から「ヴ」がすべて消えたというニュースがありました。「カーボヴェルデ」が「カーボベルデ」に、「セントクリストファー・ネーヴィス」が「~ネービス」になると言います。
 このことに関する記事に、こんなことが書かれていました。


 現代では、日本語を母語とする人は「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」と「バ・ビ・ブ・ベ・ボ」とを区別して発音する場合はほとんどありません。 …(中略)… これは、日本語の「音韻」にvがなく、bで置き換えられるためです。 …(中略)…
 朝日新聞社は、国名表記に限らず基本的に「ヴ」を使いません。ところが国名表記は必ずしも政府と一致していません。今回の2カ国も「カボベルデ」「~ネビス」と音引き無しで書きます。どう発音するかということと併せて、独自に決めているケースも多いのです。人名や地名の表記もメディア各社で様々。読み比べてみると面白いかもしれません。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2019年5月11日・朝刊、13版S、15ページ、「ことばサプリ」、田島恵介)

 日本語を母語とする人は「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」と「バ・ビ・ブ・ベ・ボ」とを区別して発音する場合はほとんどない、というのはその通りですから、「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」という表記をなくすことに異存はありません。
 ただ、表記は、どう発音するかということと併せて、新聞社が独自に決めているケースも多いということには賛成ではありません。
 文学作品や論文などで異なった表記をすることはかまいませんが、小学校から高等学校に至る学校教育の立場からすると、異なった表記は避けてほしいという気持ちが強いのです。
 文末の「人名や地名の表記もメディア各社で様々。読み比べてみると面白いかもしれません。」という表現は、逃げ口上としてもふさわしくありません。面白いという次元ではなく、紛らわしいことであると思います。同じものの表記が異なるだけだと容易に判断できるものもあるでしょうが、それができないものもあると思われます。

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