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2019年7月17日 (水)

ふるさと江井ヶ島(18)

どっこいしょ


 「どっこいしょ」という言葉を聞くと、「あ よいよい こらこら…」と踊り出したくなるような気持ちになるが、実はそれとはまったく違った意味である。江井ヶ島の周辺は良い水の湧き出るところで、そのうちの、浅い井戸、地表に湧き出している井戸のことを「どっこいしょ」と言う。
 『明石のため池』(明石市教育委員会発行)に、「どっこんしょ」という項目があって、次のようなことが書かれている。

 「どっこんしょ」あるいは「どっこいしょ」と呼ばれる湧き水が、谷八木から二見までの海岸線や川沿いにあったことが、地元の年配の人たちの話によくでてきます。
 子どもの頃、海で魚を突くために、松陰から谷八木の海岸まで歩いていく途中、いつものように崖の下から湧き水が出ているところで休憩し、汗をかいた顔を洗うことにしていたそうです。また、海で魚を突いたり、泳いだりした後、今度は、海岸の砂浜にも湧き水が出ているところがあり、そこで真っ黒になった体を洗い、そして乾いた喉に冷たい水を流し込む。その水がなんともいえないほど、おいしかったそうです。
 戦前には、谷八木にこのような湧き水が10数ヶ所あったそうです。戦後には、大きな工場が大量に地下水を汲み上げるようになり、湧き水は次々に枯れてしまったそうです。

 大久保町の北の方にある松陰(ルビ=まつかげ)から、谷八木の海岸へ歩いて行った「年配の人」の体験談として語られているのであるが、湧き水は崖の下などにあったようである。
 筆者は、江井ヶ島に住み続けているのであるが、呼び名は「どっこいしょ」である。確かに崖のようなところにもあったとは思うが、大きな酒蔵などの中にも水が湧き出しているところがあって、石やコンクリートで囲ってあった。目の前へこんこんと湧き出してきて、もったいないのであるが、流れっぱなしになっていた。大量の地下水の汲み上げが原因で涸れていったのかもしれないが、今では「どっこいしょ」の存在は忘れ去られてしまっている。
 筆者の家には井戸があったが、井戸といってもせいぜい地表面から3メートル程度の深さの水面だった。水に恵まれていることと、江井ヶ島を中心とした地域の酒造りとは密接なつながりがある。

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