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2019年7月10日 (水)

ふるさと江井ヶ島(11)

さかぐら【酒蔵、酒倉】


 神戸市の灘区や東灘区で「灘の酒蔵探訪」という行事が、秋に行われている。酒蔵の公開はこの時期に限ったものではなく、ほとんどの酒蔵が一年中、見学者を受け入れているが、スタンプ・ラリーが秋の行事になっているのである。
 灘の酒蔵を見学しても、その蔵の中にあるものは、筆者にとっては、さして珍しいものではない。子どもの頃、江井ヶ島のあちこちにあった酒蔵の中をうろちょろしたことがある。寒い頃の風物詩だったと思うが、あちこちの広場(酒蔵の敷地内)では大きな桶が横に向けられて、並べてあった。この大桶は仕込みや酒の貯蔵のために使うものであるが、洗って干してあったのである。木でできた桶で、竹のタガがはめられていた。直径は子どもの背丈以上である。その大きな桶の中に腰を下ろして日向ぼっこをしたり、中で遊んだり、桶に上っていって桶にまたがったりした。転がして、少し位置を移動させるという悪戯もしたように思う。今にして思えば、不思議なことなのであるが、酒蔵の人から注意を受けたことはあるかもしれないが、怒鳴られたり追い出されたりという記憶はない。蔵人(ルビ=くらびと)と呼ばれる人たちは、冬季に丹波(ルビ=たんば)の方から来るのであるが、通年の従業員はたいてい地元の人であったというのが理由であったのかもしれない。酒蔵の中を徘徊できたのも、同じ理由からであろう。大桶は乾燥させるのが目的で、少しぐらい汚れても、次に使う時にきれいに洗浄したのであろう。

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