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2019年9月 7日 (土)

明石日常生活語辞典の刊行について(7)

刊行の経緯について述べます(その1)


 私は大学の卒業論文で「明石方言の語法」をテーマに選び、それ以来、方言への関心をずっと持ち続けてきました。はじめの頃は語法(文法)などに関心を持ち、研究発表などもしましたが、次第に語彙(単語)への関心が強まってきました。
 大学で指導していただいた和田實先生はアクセント研究で知られた方ですが、先生は「歳をとるに従って、方言研究は語法から語彙に移るようになる」とおっしゃっていましたが、私はまさに、そういう道のりを進みました。
 パソコンを導入する前は、気づいた単語は用例とともに、当時広く行われていたB6判カードを作って、ひとつずつ記録していきました。
 パソコンを使い始めたのは、ジャストシステムのワープロ・ソフト「太郎」がバージョンアップされて「一太郎」として発売された頃です。NECのVM2というデスクトップが伴侶でした。この段階から、カードを取り止めて、パソコン入力によって資料を蓄積することにしました。
 文化庁の各地方言収集緊急調査の兵庫県調査員を務めたのは昭和の終わり頃でしたが、私が担当した神戸市の調査をもとにした『神戸・和田岬の言葉』を刊行したのは1990年(平成2年)でした。
 それ以後は明石の方言集をまとめることが大きなテーマになりましたが、仕事が管理職になったりして、集中して作業を続けることが出来ないような状況も続きました。高等学校を退職した後の10年間は大学教育に携わりました。70歳を迎えて、やっと明石方言に取り組む時間が、まとまって得られるようになりました。
 その途中のそれぞれの段階で、思い出したように明石方言に取り組みましたが、辞典の本文の記述の仕方について、二転、三転、その方向性を変えましたから、その度に全体を読み返して、多くの時間を費やすような結果になりました。
 最終的に定めた記述の仕方は、「『日常生活語辞典』の編纂と、その記述の方法 -兵庫県明石方言を例にして-」と題して、2017年(平成29年)の日本方言研究会第104回研究発表会で発表させていただきました。その後も、記述の仕方を一部、手直しして、やっと最終原稿をまとめることができました。思えば、遅々とした歩みであったように思います。

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