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2019年9月14日 (土)

明石日常生活語辞典・追記(6)

しーこいこい


 「明石日常生活語辞典」では、「栄養分を吸収したあとの老廃物として、体外に排出される液体。また、それを排出すること」という説明を書いています。どういう言葉について説明しているのか、おわかりでしょう。この辞典では、単に言葉を置き換えるのではなく、その言葉の持つ意味を説明しようとしています。
 その言葉は、明石ではいろいろな言い方をします。載せている言葉を並べあげると、しょうべん、しょんべん、しょうよう、しい、しいこっこ、おしっこ、しょう、となります。「しゅうよう(小用)」は歳をとった人が使う言葉です。「しょう(小)」は、「しょー・の・ べんじょ(便所)・は・ いま(今)・ まんいん(満員)・や。」などという場合の使い方で、「だい(大)」に対する言葉です。
 子どもに向かって、「しーこっこし・と・なっ・たら・ はよ(早)ー・ ゆ(言)ー・て・な。」と言うことがありますし、小便を促すときには「はい・ しーこっこ・ しーこっこ」と言うこともあります。「しーこいこい」とも言います。
 大人同士で、「びーる(ビール)・を・ よーけ〔沢山〕・ の(飲)ん・だら・ しーこっこ・が・ し・た・なる・なー。」などと言うこともあります。
 その「しーこいこい」について書かれた、こんな文章を読みました。


 1965年に出版された「上方語源辞典」(前田勇編、東京堂出版)をひもとくと、「小児に小便をさせる時にいう」とちゃんと書かれている。その昔、小便を指していた「しし」を略したのが「しー」。「こいこい」は犬などを呼び寄せる時のことばなのだそう。合体して「しーこいこい」? おしっこをなかなか出せない子どもをなだめるために、犬の名などを呼んでいた名残ということらしい。 …(中略)…
 撮影のために、お邪魔させてもらった大阪府門真市の「おおわだ保育園」の馬場睦代園長(47)に聞いてみると、「私の子どものころは家で『しーこいこい』って言われていましたけど、若い保育士さんたちに聞いてみたら『しーしー』がほとんどになっていましたよ」
 (朝日新聞・大阪本社発行、2014年4月16日・夕刊、3版、2ページ、「まだまだ勝手に関西遺産」、篠塚健一)

 「しー」や「しーこっこ」は擬態語・擬音語と言ってよいでしょう。そのものを直接に表すよりも、婉曲的な言葉を使って表現しているように思われるのです。関西の言葉には擬態語・擬音語があふれているのです。

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