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2019年9月 5日 (木)

明石日常生活語辞典の刊行について(5)

「刊行のことば」をそのまま伝えます


 以上に述べてきたことと重なりますが、本書の「刊行のことば」を書きます。本書の出版元の武蔵野書院が、広報用のパンフレットを作ってくれました。そこに書いていることを引用します。

 私は50年以上にわたって兵庫県明石市の言葉を見つめ続けてきた。この50年という期間に限っても、明石で使われている語彙(単語)はもちろん、語法(文法)、音韻(発音)、アクセントにも様々な変化が見られる。
 本書『明石日常生活語辞典』で記録するのは、祖父母の世代、父母の世代、自分たちの世代という3世代が使っていた言葉、あるいは、使っている言葉である。それを子や孫の世代に伝えたいという強い思いから、本書を編んだ。
 本書は、明石の日常生活で使われている言葉、および最近まで使われていた言葉についての記録であるが、兵庫県内はもちろん、関西一円の方言とも共通点を持つ内容となっている。
 日常生活において、私たちは方言を使って話したり聞いたりしているが、明石の地域だけで使う言葉(俚言)の他に、関西で広く使っている言葉や、全国共通語も併せて使っている。したがって、俚言と共通語を併せた辞典を作ることが、その土地の言語生活の有り様を如実に表すことになると考えた。副題を「俚言と共通語の橋渡し」とするのはそのような理由による。俚言と共通語の区別を設けずに記録し、よく似た意味を持つ言葉は互いに参照できるようにして、俚言と共通語の関係が明らかになるようにした。本書は、同義語辞典や類義語辞典の性格も兼ね備えているのである。
 方言研究は話し言葉を対象とする。本書では、話し言葉の要素が強いとして国語辞典などに採録されていない言葉も積極的に取り入れ、擬音語・擬態語などや、発音の変化した(訛った)言葉も多く記録している。本書の見出し数は15,463項目である。
 本書は、現在の言語研究に資することはもちろんであるが、50年後、100年後にも、「明石の言葉の辞典」として、方言に関心を持つ方々の研究に寄与できればありがたいと思っている。
 本書は少部数の限定出版である。個人で購入していただくことは嬉しいが、各地の図書館の蔵書としてもぜひ備えていただきたいと願っている。方言に関心をお持ちの方には、地域の図書館に購入を働きかけて、その蔵書をご覧いただくことを期待している。

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