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2019年9月 3日 (火)

明石日常生活語辞典の刊行について(3)

「俚言と共通語の橋渡し」がサブタイトルです


 世の中には各地の方言辞典がたくさん出版されています。けれども、本書は「方言辞典」という名称ではありません。
 「方言集」とか「方言辞典」という名称の出版物は、ほとんどすべてが、その地域特有の言葉(俚言)を集めたものです。それは日常生活で使う言葉の一部分に過ぎません。私たちは、俚言だけを使って言語生活を営むことはできません。
 方言というのは、その地域で使われる言葉の全体を表す言葉です。方言には、俚言も、例えば関西共通語も、また全国共通語も、すべて含まれるのですが、語彙(単語)について、そのような言葉をすべて集めたものを作ろうと思いました。それこそが本当の意味の「方言辞典」ですが、従来の方言辞典という言葉の意味とは異なることになりますから、「日常生活語辞典」という名称にしました。
 この辞典に収める言葉の範囲を、きちんと定めることはとても難しいことです。ふだん使う言葉としか言いようがありません。組織的な教育によって習得する言葉ではなくて、ふだんの生活で身に付けて使っている言葉、としか言えないのです。具体的に、どの言葉が「日常生活語」の範疇に入るのかということを厳格に問われたら、答えに窮することになります。言葉の選択は、編集者にお任せくださいとお願いするしかありません。
 「明石日常生活語辞典」の特長は、明石という地域で使う言葉を、俚言、関西共通語、全国共通語の区別なく、集めたものです。けれども、たとえ全国共通語と同じであっても、その言葉の意味や語感、また用例が同じであるとは限りません。すべての語について、用例を載せていますから、共通語との微妙な違いも理解していただけるのではないでしょうか。
 そして、俚言と共通語が使い分けられている様子や、同じような意味で俚言と共通語の両方を使っている様子などもわかるようにしています。俚言、関西共通語、全国共通語の枠を超えて、同義語や類義語が対照できるように工夫をしています。本書に「俚言と共通語の橋渡し」という副題を付けているのは、そのような理由によるのです。

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