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2019年10月14日 (月)

明石日常生活語辞典・追記(36)

ぴりぴり


 明石の人たちは、「ぴりぴりし・てき・た・ぞ」というような言葉を聞くと、空を見上げて、その様子をうかがうことをします。他の人より一瞬早く、空が「ぴりぴりと」する様子に気づいた人が、声を上げて、他の人に知らせたりすることがあるのです。
 「ぴりぴり」は、痛みや辛みを表したり、神経が張りつめている様子を表したり、紙や布などが裂けたり震えたりする様子も表しますが、微かに雨が降り始める様子を表すことについては、その用法を知らない人には意味が通じないでしょう。
 「ぴりぴり」は微かな雨の降り始めの様子ですが、その「ぴりぴり」がしばらく続くことはあります。けれども、傘をさしたくなるような降り方になってきたら、もう「ぴりぴり」ではありません。
 「ぴりぴり」は、「ぴりぴり・ ふ(降)りはじめ・た。」のように「ぴりぴり」だけで使うことがありますが、「ぴりぴりと・ かお(顔)・に・ あ(当)たっ・た。」のように「ぴりぴりと」の形になることもあります。どちらも副詞です。
 「する」と結びついて、動詞の用法もあります。「ぴりぴりし・とる・さかい・ せんだくもん(洗濯物)・を・ い(入)れる。」というような使い方です。


 「明石日常生活語辞典」では、「ぴりぴり」を次のように説明しています。

 《副詞と、動詞する》 ①微かな雨が降り始める様子。「ぴりぴりし・てき・た・さかい・ せんたくもん(洗濯物)・を・ しまい・ましょ・ー。」②刺されるように痛く感じる様子。しびれるような痛みや辛みを感じる様子。「くち(口)・の・ なか・が・ ぴりぴり・ から(辛)い。」③神経が高ぶって張りつめている様子。「みんな(皆)・ ぴりぴりと・ きんちょー(緊張)し・とる。」④紙や布などが続けざまに裂ける様子。紙などが小刻みに震え動く様子。また、その音。「かみ(紙)・を・ ぴりぴりと・ やぶ(破)る。」

 雨の降り方については、明石では、この言葉以外に珍しい表現は見当たりません。けれども、「ぴりぴり」だけは、他の地域ではあまり使わないことを知っていて、「ぴりぴり」という言葉を自慢のように言うことがあります。
 「ぴりぴり」は播磨地域の他に、丹波篠山などの地域でも使っているようです。

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