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2020年2月23日 (日)

ことばと生活と新聞と(2)

市民向けにはわかりやすい言葉遣いで


 世の中には新しいものが次々と生まれています。新しいものには新しい名前が付けられるのは当然です。けれども、その付け方が問題です。外国語の真似をして無批判に外国語を取り入れることはしてほしくありません。
 新型コロナウイルスの感染が広がっています。その名称を新型コロナウイルスと言えば、その実態がわからなくても、言葉としては納得します。言葉に対して身構える必要はありません。それは日本語のひとつであると思います。
 私は先祖代々、明石市に住んでいます。市の広報紙の1ページに「SDGs未来安心都市・明石へ」という大きな見出しの記事が載りました。「明石市が目指すまちの姿 × SDGs」という大きな文字も書かれています。
 2ページには、「SDGsとは?」として、次のように書かれています。

 Sustainable Development Goals
 世界共通の17の目標
 国連サミットで世界が合意した2030年に向けての持続可能な開発目標
 (明石市役所「広報あかし」、2020年2月15日発行、2ページ)

 そして、記事のリード文は次のようになっています。

 これまで10年ごとに5次にわたり、市のまちづくりを総合的・計画的に進めるための指針となる総合計画を策定してきました。このたび、2021年度から始まる(仮称)あかしSDGs推進計画(第6次長期総合計画)の策定に向けた審議会が開催されました。学識者や各種団体の関係者、公募市民が議論を重ね、来年3月の策定を目指します。
 (明石市役所「広報あかし」、2020年2月15日発行、2~3ページ)

 ページの片隅には、こんな話題も掲載されています。

 SDGs調査で明石市が全国4位に
 1位・川越市(埼玉県)、2位・金沢市(石川県)、3位・西宮市(兵庫県)、4位・明石市(兵庫県)、5位・福岡市(福岡県)、《以下、略》
 市版SDGs調査とは?
 ㈱ブランド総合研究所が全国の政令指定都市・中核市・県庁所在市83市を対象に実施。幸福度や定住意欲度など106項目から地域の持続性を調査。 
 (明石市役所「広報あかし」、2020年2月15日発行、3ページ)

 記事をすべて読んでも「SDGs」という言葉の意味を納得することはできません。仮に納得できる段階になっても、その内容をなぜ「SDGs」などという言葉で表現しなければならないのかということを得心するわけにはいかないでしょう。
 市民の一人一人が読むように作られている広報紙です。「SDGs」などという咀嚼できない言葉を使わずに、もっとわかりやすい言葉を使えないのでしょうか。国連サミットで示された考えを、日本語で表現できないのでしょうか。日本語はそんな劣った言語ではないと信じています。この3ページにわたる記事を読んでも、具体的なイメージが浮かんでこないのです。
 もちろん「SDGs」は日刊新聞でも目にします。日刊新聞の場合も同じなのですが、文字数を減らすという能率化のために、カタカナ語やアルファベット略語を使うことが増えています。新型コロナウイルスについても略語が使われることになるかもしれません。言葉を仕事にしている新聞社や、市民に広報する務めのある市役所は、外国語をそのまま取り入れるということは慎重にしなければなりません。

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