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2020年2月16日 (日)

兵庫県の方言(2)

「やさしい」言葉としての方言


 それでは、兵庫県の方言の特徴などについて述べますが、難しい理論のようなものはなるべく避けて、できるだけ具体的な例で、お話をします。方言の良さや面白さについて理解していただけば嬉しいと思います。
 私は、生まれてからずっと、兵庫県の明石で暮らしています。アクセントは関西アクセントが身に付いていて、東京アクセントで話せといわれたら困ってしまいます。一つ一つの言葉(単語)は一見、共通語のように聞こえるかもしれませんが、共通語のように見える言葉も、方言の体系の中にある言葉の一つ一つなのです。
 例えば、部屋の中にある椅子を指さして、 「これを何と言いますか。方言で言ってみてください。」 と言われても、 共通語と同じように「いす(椅子)」としか言えません。「つくえ(机)」も「いす」も、「そら(空)」も「うみ(海)」も「みず(水)」も、共通語と同じ言葉を使っているのです。
 けれども、同じ言葉であれば、方言と共通語は、完全に意味や使い方が一致するかと言えば、そうであるとは言い切れません。
 一例として、「やま(山)」という言葉について考えてみます。「やま」という言葉は、共通語と同じような意味を表すとともに、木が群がって生えているようなところ、林や森というようなところ、という意味でも使っている地域があるのです。
 このような意味を含んでいる「やま」という言葉も、共通語とほとんど同じ意味を表している「そら」という言葉も、方言の中にある言葉なのです。
 大雑把な言い方をするなら、「方言」というのは、特定の地域社会、例えば兵庫県なら兵庫県という地域で、使われる言葉の全体のことです。一つの国語、すなわち日本語が地域によって異なる発音や、アクセントや、単語や、文法などを持っているとき、それぞれの地域の言葉の姿の全体を、方言と言うのです。
 「方言」という言葉とは違う、別の言葉を、一つ紹介します。共通語とは違って、その地域でだけ使われる、特有の言葉がありますが、それを「俚言(りげん)」と言います。その土地特有の言葉を俚言と言いますが、日本各地で作られている方言集は、正確に言えば、俚言を集めたものを「方言集」と言っているのです。
 それでは、ここから、しばらく、兵庫県の方言はどのような特徴を持っているかということについてお話しします。その一端を述べるにとどまることをお許しください。
 4つに分けて、①発音、②アクセント、③単語、④文法、についてお話しします。

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