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2020年2月21日 (金)

兵庫県の方言(7)

方言の記録について


 最後に、方言を記録することについて、お願いをしたいと思います。
 昭和の終わりの頃、文化庁が「各地方言収集緊急調査」というものを、すべての都道府県で行いました。兵庫県の調査は5人で行いましたが、私は神戸市兵庫区の和田岬地域を担当しました。
 方言が失われていくことを懸念して、文化庁は「緊急調査」という名前で、各地の方言を記録したのです。あれから35年ほどの年月が流れましたが、あの時だけが「緊急」であったはずがありません。それ以後、このような規模の調査は行われておりません。30年、40年、50年という間隔で見ると、先ほど申したように、方言は確実に変化しているのです。
 私は、ひとりでも多くの方が、方言に関心をお持ちになって、方言を記録することに協力していただけたらと願っております。
 方言を記録すると言っても、何も難しいことではありません。
 方言を記録する方法の一つは、気付いた方言を書き留めるということです。書き留めておくだけでも価値がありますが、できればそれを冊子にして残せば、価値が高まります。何人かの方で力を合わせて、地域の方言についての冊子を作るのは貴重なことです。
 方言を記録する方法のもう一つは、普段の会話を録音することです。私が兵庫県明石の会話を録音した、最も古いものはちょうど前回の東京オリンピックの年、1964年のものですから、五十数年前のものです。今、聞いてみると、言葉遣いに隔世の感があります。録音を残しておくだけでも資料としての価値があるのです。
 録音する会話の内容は、ごく普通の日常的な話でよいのです。何人かの人が集まって、自分たちが子どもの頃はこんな遊びをしていたとか、ここ数年で町や村の様子がずいぶん変化してきたとか、昔に比べて衣・食・住がどう変わったかとか、話題は何でも良いのです。わいわいと、とりとめの無いような話であって、よいのです。目的は、言葉遣いの記録なのですから、気軽に会話をして残しておくだけでも大きな価値があるのです。
 ぜひ、方言の記録を行ってくださいますように、お願いをします。

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