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2020年2月24日 (月)

ことばと生活と新聞と(3)

一般記事と宣伝・広告との区別がなくなりつつある


 一般の新聞は、記事と広告との区別がしっかりとできていると思い続けてきましたが、近頃はそれがあいまいになっていると思います。
 付録のようにして折り込まれるものには、その傾向が強いと思います。
 例えば、「我が子が伸びる熟選び」という題名がついた記事があります。リードには次のような文章が書いてあります。

 子どもを学習塾に行かせたほうがいいの? 行くならどんな規模、雰囲気? 学びをめぐる悩みは尽きません。専門家に熟選びのポイントを聞きました。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年2月9日・朝刊、「EduA」1ページ)

 「子どもを学習塾に行かせたほうがいいの?」という問いかけで始まっていますが、質問の答えを「はい」「いいえ」で進めていくと、結局は、大手進学塾、小規模進学塾、個別指導塾・家庭教師、通信教育・家庭学習、塾の公立中進学コース・学習教室など、の5つのうちのどれかにたどり着くようになってます。塾などに頼らないで自分で学習するというような結論はあり得ないのです。
 そもそも、月に2回ほど折り込まれるタブロイド判8ページの紙面には、塾ソムリエ、教育アドバイザー、国語教室主宰、ゼミ講師などという肩書きの人が登場して、自説を説得させようとしています。教育を商売にしている人たちばかりと言っても過言ではありません。公教育に携わっている人などは登場させません。いわば教育産業の宣伝を担っているのが「EduA」という紙面です。このタブロイドを始めてから20号近くになりますが、一貫してそういう姿勢です。
 教育というものをそのように認識しているのなら、新聞社としての姿勢が問題であると思います。宣伝・広告に徹しようとしているのなら、この紙面は宣伝であると書き記さなければなりません。
 新聞は、一般的には記事と広告とを区別しています。全面広告にはその旨が書かれます。けれども「EduA」にはそのような表示はありません。富裕層の保護者向けに、教育産業の宣伝・広告をして、それを一般の記事として読ませているのです。悪質な記事であると思います。
 けれども新聞本体はまだ、ましな方です。同じ新聞社が(たとえ分社化したとしても)週刊誌で大学合格者ランキングの記事を大々的に載せて、売り続けています。教育のあるべき姿などなどを本気になって考えたりはしていないのです。教育は出世するための手段であると考えるとともに、教育は企業の金儲けの手段だとするのが新聞社の考え方なのです。

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