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2020年4月26日 (日)

ことばと生活と新聞と(65)

コンクリートの国、日本


 NHK総合テレビのニュースの始まりの画面が気になってしかたがありません。東京のコンクリートジャングルの映像が、毎日毎日、毎時間毎時間、流されるのです。違った場所があらわれる場合もありますが、やっぱりコンクリートの建造物に変わりはありません。こんなものを毎日見せつけようとする人間の心理が理解できません。東京に住んでいる人間にとっては、あのような風景が日本の典型と考えているのでしょうか。
 ニュースは東京で編集されるのですが、風景はもっと日本らしいものを選べないのでしょうか。日本は自然に恵まれた国です。北海道から沖縄まで、気候風土が異なります。海もあり山もあり田園風景もあります。ニュースの始まりの時間の映像は短いのですが、変化をつけていけば心穏やかに見ることができます。
 まるで東京が日本の中心であり、その画面を流すのが当然であるというような考えに固執しているように見えます。NHKは、東京と言うよりも、渋谷が日本の中心であるというような考え方です。総合テレビ夕刻の「シブ5時」という番組名にそれがあらわれています。
 コロナ疎開という言葉があるようです。普段は東京に住んで東京の恩恵に浴している人間が、何か不都合なことに遭遇すると、他人の迷惑などを考えずに、かつての故郷の地などへ避難することを指して使う言葉のようです。東京人の自分勝手な行為を苦々しく思っている人は多いでしょう。
 いま東京に住んでいる人たちの中には、日本の各地に生まれて、大人になる段階で勉学の地や就職の地として東京を選んだ人が多いようです。愛郷心を捨てて、自分の利益のために東京を選んだ人も多いことでしょう。自分にとって利益になりそうな、日本の経済や文化の中心地だからと選んだ東京ですから、状況が変化すれば、自分の利益のために東京を離れることなどは容易いことなのかもしれません。けれども、そんな考えをされたのでは、地方の人たちには迷惑です。
 全国に疎開しないまでも、緊急事態宣言の出ている休日に鎌倉や江ノ島の周辺に車が集中して、地元の人が迷惑をしたというニュースを見ました。都道府県を超えた移動は自粛してほしいと言われたら、近隣に人々が集まる。まったく自分のことしか考えていない人間が、このような緊急事態の時にもいるのだと知って驚きました。関西では考えられないことです。
 新型コロナウイルスの感染拡大は何としても阻止しなければなりません。東京の人たちは、東京を思う気持ちを強く持って、東京から逃げ出す(すなわち、感染を全国に広げる)ことをやめてほしいと思います。同時に、この際、長年続いてきた東京の一極集中ということが、大きな弊害を生んでいるのだということについても考えを深めてほしいと思います。

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