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2020年6月 4日 (木)

ことばと生活と新聞と(104)

外国語と外来語とカタカナ語


 私は英語が得意ではありませんし、今さら上達しようという気持ちもありません。けれども、若い人たちにとって、英語を含めた外国語教育は必要なことだと思っています。
 そうは言っても、英語の表現を日本語の中に取り入れることが良いことだとは思っていません。日本語は十分な表現力をそなえた言葉ですから、外国語の力に助けられながら発展していく言葉であるとは思いません。外国語の表現をそのまま日本語の中に取り込んでほしいとは思いませんし、カタカナ語の氾濫も防がなくてはなりません。日本語の中で十分に消化された外来語だけを少しずつ増やしていけばよいのです。
 もちろんカタカナ語(外来語として認められない言葉)として使っているうちに、外来語として認められることになるわけですから、カタカナ語が皆無になるわけではありません。しかし、カタカナ語を氾濫させることへの防止策が必要です。
 新聞社はカタカナ語の防止策への手だてを設けていないばかりか、どんどんカタカナ語やアルファベット略語を増やそうとしています。それが国際化のために役立つと誤解しているのかもしれません。
 テレビ番組の紹介欄に、こんな記事がありました。日本語が外国語からまったく無防備にさらされているというか、日本語の英語化を喜んでいる人たちがいるというか、なんとも侘びしい世の中になりつつあります。

 世界にいいね! つぶやき英語 ★Eテレ 夜9・30
 英語番組はあまたあれど、SNSで無限に増える略語や新語を教えてくれるのは出色。「DYK」とはDid You Kow(知ってた?)のこと。「IRL」とはIn Real Life(実生活)のこと。見終わったら、SNSを開いて海外投稿をチェックしたくなる番組だ。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年5月29日・朝刊、14版、28ページ、「試写室」、守真弓)

 「SNSで無限に増える略語や新語」を追いかけなければならないのが、人間のなすべきことであるのなら、実に情けないことです。それを「無限に増える」として傍観していてはいけないでしょう。また、それを追いかけさせるように仕向けることもやめてほしいと思います。
 「見終わったら、SNSを開いて海外投稿をチェックしたくなる番組だ。」と書いていますが、英語表現の中でそれを使うように仕向けているわけではないでしょう。日本語の文章の中でも、そんなアルファベット略語を使うことを勧めているのでしょう。
 仮に外来語を日本語の文章の中に使って通用する場合であっても、日本語にふさわしい言葉があれば、それを使うのが通常の表現方法でしょう。まして、まだ外来語として認められないカタカナ語を使う場合は、きちんと説明して使うべきでしょう。
 このようなアルファベット略語の「DYK」や「IRL」という言葉は、賞味期限が長いものなのでしょうか。新聞や放送がそういう言葉を称賛する姿勢を持ってはいけません。この記事は、番組の紹介があまりにも興味本位に書かれています。現在でも、意味のよくわからないアルファベット略語が氾濫しています。そんな言葉がもっともっと増えていくことに拍手をしているような記事です。

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