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2020年7月 3日 (金)

ことばと生活と新聞と(133)

どうして毎年、同じ時期に同じ記事・写真なのか


 元旦の新聞の社会面の片隅に必ずと言っていいほど掲載される記事と写真があります。朝日新聞などの全国紙の大阪本社発行の紙面に、ほぼ例外なく掲載されるのです。他の本社発行の社会面には載せられていないかもしれませんが、大阪本社版は十年一日のごとき様相です。いいえ、10年どころではないのかもしれません。
 それは、京都の歳末の風物詩の「をけら詣り」の様子です。ちょっと注目すべきは昔々は「おけら」という仮名遣いであったものが今は「をけら」になっていることぐらいです。京都には寺社がたくさんあり、大晦日の行事もいろいろ行われているのに、毎年毎年「をけら」だけを載せる理由が私にはわかりません。
 例えば、5月15日に行われる「葵祭り」は古くからの伝統を引き継ぐ行事ですから、毎年、その日の夕刊に写真と記事が掲載されるのは当然だと感じています。「をけら」も古い伝統を引き継ぐものでしょうが、新聞社は大晦日の寺社行事の取材をそれに限定してしまっているように思われるのです。
 さて、別の話題に移ります。他の地域にお住まいの方はお気づきでないと思いますが、毎年、衣更えの時期になると必ずと言っていいほど写真が掲載される学校があります。これは、その学校が広報活動をして各新聞社に情報を流して、新聞社がそれに飛びついているのかもしれません。この記事・写真は毎年載るかどうかは確認しておりませんが、かなりの頻度であることは確かです。たくさんの学校があるのに、特定の学校のことばかり報道するのは、まるで癒着があるかのような印象を受けます。
 今年の記事を引用します。

 神戸市灘区の私立松蔭中・高校で26日、衣更えがあり、マスクを着けた生徒たちが、伝統の白いワンピース姿で登校した。
 もともと今月18日から夏服に切り替える予定だったが、新型コロナウイルスの影響で休校が継続。分散登校で学校が再開したこの日から衣更えとなった。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年5月26日・夕刊、3版、7ページ、遠藤美波・西岡臣)

 たまたま通りがかりに衣更えの中高生を見たというのではなく、きちんと計画を立てて記事にしていることは、文章を読んでもわかります。
 白一色のワンピースですから、写真としても見映えがよいのですが、神戸市内にはたくさんの学校があるのに、毎年のように記事にするのはこの学校のことなのです。記事にしやすいという気楽さで、毎年続けて載せるのであれば、記者の怠慢のようにも思います。それとも学校と新聞社とに深いつながりがあるのでしょうか。これも十年一日のごとき記事の作成です。

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