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2020年7月22日 (水)

ことばと生活と新聞と(152)

饅頭は蒸し菓子のはずだが…


 電子レンジを使うと何ができるのでしょうか。あたためることはできますが、煮ることや焼くことはできるのでしょうか。煮るのと同じようなことも、焼くのと同じようなことができるのですが、それは煮たと言えるのか、焼いたと言えるのかというと、微妙なところがあるように思います。
 さて、「饅頭」を国語辞典で引いてみると、小麦粉・そば粉などを使って皮とし、中に餡を包んで蒸し上げた菓子、というような説明がされています。皮の材料や、中に包む餡などについてはバラエティが生まれてもおかしくはありませんが、蒸すということは必要な条件でしょう。蒸していないものを饅頭とは言いにくいと思います。
 焼き饅頭という言葉があるとすれば、それは蒸して作ったものを、さらに表面を焼いて出来上がった菓子ということになるでしょう。
 こんな記事を読みました。

 ピザ、シナモン、コーヒー、キャラメル、きなこ、チョコバナナ--。バラエティ豊かな変わり種の「焼きまんじゅう」がSNSなどで話題だ。その専門店「くしや」(群馬県伊勢崎市)も新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて客足は鈍った。 …(中略)…
 焼きまんじゅうは、小麦を練った生地を竹串に刺し、甘辛いみそでこんがりと焼いた群馬の郷土料理。 …(中略)…
 「新しいメニューを食べに来てもらえるとうれしい」。いまは「お好み焼き焼きまんじゅう」に挑戦している。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年6月8日・夕刊、3版、7ページ、「地域発 群馬県から」、松田果穂)

 焼きまんじゅうという名の食べ物は、蒸すということはしていないようです。竹串に刺して、こんがりと焼いているのです。「焼きまんじゅう」は、厳密な意味での「饅頭」ではないのです。餡の代わりにピザ、シナモン、コーヒー、キャラメル、きなこ、チョコバナナなどを使っているということは認めるとしても、焼かないものを「饅頭」と言う理由は何なのでしょうか。形が饅頭に似ているという、ただ一点だけで「まんじゅう」と称していることになります。言葉としては、だらしのない使い方をしていることになります。
 さらに輪をかけているのは、「お好み焼き 焼きまんじゅう」という二重に「焼き」を使った命名です。お好み焼きを焼き上げてから、それを餡のように使うのでしょうか。できれば、もう一工夫、蒸すという工程をどこかに加えることはできないのでしょうか。

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