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2020年7月31日 (金)

ことばと生活と新聞と(161)

ミリ単位の「世界最短」文字


 クイズを出題します。明さん(例えば、あきらと読みます)、勝さん(かつ)、一さん(はじめ)の3人の名前を漢字で縦書きしたとき、最も短いのは誰でしょうか。
 答えは、後回しにして、こんな記事を読んだので紹介します。

 ローマ字表記なら「世界最短」とPRする駅が山口県萩市にある。JR山陰線の飯井駅。ローマ字では「Ii」の2文字で、三重県の津「Tsu」駅より短い。
 高台にある無人駅で日本海を一望できる。JR西日本の観光列車が通過する際も、車内アナウンスで「世界最短」と紹介されているという。
 兵庫県の粟生「Ao」駅や長崎県の小江「Oe」駅など、ローマ字2文字の駅は他にもある。「Ii」は「書いた時の幅が一番短い」と山口県の担当者。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年7月2日・朝刊、14版、26ページ、「青鉛筆」)

 何でも「一番」ということに価値があると言うのでしょうか。ローマ字2字の「短い駅名」の一つに加わるということだけで満足できなくて、その中でも「最短」であると言わなくてはおれない気持ちなのですね。「Ii」が最短だと言っても、ワープロ文字では「Ao」や「Oe」より1~2ミリ程度の差でしょうね。
 心の狭さのようなことが表現されていて、世界最短という言葉に拍手をおくる気持ちにはなりません。
 漢字で縦書きしたら、「一さん」が最短だ(縦幅が短い)というようなことを話題にしたら、あざけられ、笑われてしまいそうですね。〈JR西日本の観光列車が通過する際も、車内アナウンスで「世界最短」と紹介されているという。〉とありますが、アナウンスをする人も納得しないままに口にしているのかもしれません。
 この話題を記事にした記者も、どこまで本気で書いたのかと疑問に思ってしまいます。

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