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2020年9月21日 (月)

ことばと生活と新聞と(213)

~ の記号について


 文章を口に出して読む場合に、記号にあたるものをどう読むのか迷うことがあります。口に出して読まない場合でも、どういう意味かということに迷うこともあります。
 口に出して読む場合は、% は例外なく「パーセント」と読むようですが、…… を「てんてんてん」と言ったり、「 」 をわざわざ「かぎかっこ」と言ったりします。
 さて、~ という記号は、何と読むのでしょうか。また、どういう意味であると考えればよいのでしょうか。
 実際の例を引用します。メヒシバという植物を紹介する記事です。

 畑や空き地、道端の土のある所ならどこにでも見られるイネ科の一年草。細い茎が地面をはい、節から根を出して立ち上がる。草丈30~90センチ。
 長さ約8~20センチ、幅0.5~1.5センチの細く薄い葉は、柔らかくつやがない。
 7~11月、茎の先に米粒のような小穂をたくさんつけた長さ5~15センチの穂を3~8本出して、放射状に広がる。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年8月13日・朝刊、「第2兵庫」ページ、13版、20ページ、「野の花通信」、片山佳子)

 ~ の記号を「ないし(乃至)」と読むのが口癖の人がいました。「草丈30ないし90センチ」「長さ約8ないし20センチ」というわけです。「ないし」は両端を示して範囲を限定する言葉ですから、意味を正確に伝えることにはなりますが、ちょっと硬い(古い)言葉であるという印象は否めません。
 ~ の記号を「から」と読むことが多いように思いますが、その場合は、「草丈30センチから90センチ」「長さ約8センチから20センチ」となって、前に置かれている数字にも単位(センチ)を補わなければなりません。しかも、「草丈30センチから90センチまで」「長さ約8センチから20センチまで」の「まで」が省略されているという感じになります。
 同じ日の同じ紙面に、谷川岳山岳資料館(群馬県みなかみ町)を紹介する記事がありました。その記事から引用します。

 毎年5月~11月末まで開館。木曜休館。入館無料。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年8月13日・朝刊、「第2兵庫」ページ、13版、20ページ、「わがまちお宝館」、木下こゆる)

 「毎年5月~11月末まで開館」の ~ は「から」または「より」と読むのでしょうが、「毎年5月から11月末まで開館」と書く方が自然でしょう。わざわざ記号を使う必要はありません。開館期間を示すのなら「毎年5月~11月末」という表現の方がよいように思います。
 ~ の記号の使い方などは、些細なことのようには思いますが、書く人が自由に使ってよいというわけでもないと思うのです。

 なお、この新聞の「第2兵庫」ページは、兵庫県内の記事も載りますが、地域とは関係のない全国記事も掲載されて、ずさんな編集になっています。記事の少ないときには適当に記事を探して埋めているようです。編集の方針なども示されないまま、読者は記事を読まされているのです。

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