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2020年9月25日 (金)

ことばと生活と新聞と(217)

外国語の、日本語への訳し方


 外国で使われている言葉を日本語の文章の中で書く場合に、カタカナ外来語として書くことがずいぶん多いのが現実の姿です。日本語に訳して書くのが面倒であったり、適切な表現が見つからない場合であっても、安易にカタカナ外来語として書いてほしくありません。
 ところで、日本語にある言葉を組み合わせて表現する場合は、どのような経緯でその表現を選ぶのでしょうか。時には、筆者によって使う言葉が異なる場合もあります。
 次のような表現を見かけて、そのことが気になりました。

 「飛び恥」という言葉が温暖化対策で欧米では話題になるほど、飛行機が出す二酸化炭素(CO2)は他の移動手段に比べて多いが、どうしたら減らせるのか。九州大学や近畿大学のチームが、日本航空(JAL)と全日空(ANA)の日本発着の国際線のCO2排出量を分析したところ、燃費の良い機材導入による効果が最も高かった。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年8月24日・夕刊、3版、3ページ、「ぶらっとラボ」、神田明美)

 欧米で「飛び恥」という言葉が話題になっているというのですが、この言葉を多くの筆者が同じ言葉遣いで使っているのでしょうか。カタカナ外来語でなく日本語の言葉で表現していることは望ましいと思いますが、原語が示されておりませんから、この訳語がふさわしいのかどうか、わかりません。
 けれども「飛び恥」という言葉遣いにはなんとはなしに違和感を覚えます。「〇恥」というように「恥」という文字が後ろに来る熟語は、大恥、赤恥、面恥(つらはじ)、などで、しかも「恥」の前に動詞が来るのは、生き恥、死に恥、ぐらいのものでしょう。
 もちろん、いろいろな言葉を作ってもかまわないのでしょうが、二酸化炭素の排出量の多さは、「恥」という言葉の表す内容とは少し違っているように思います。「飛び恥」には、不都合だという意味が込められているかもしれません。けれども、二酸化炭素の排出量の多さは、「恥」という言葉の本来の意味、すなわち、面目を失ったり、不名誉になったりするような意味ではないと感じられるのです。
 今後、他の筆者がどのような言葉を使うのか、興味を持って注目していきたいと思います。

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