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2020年10月 5日 (月)

ことばと生活と新聞と(227)

複合動詞の表記の仕方


 2つの動詞がつながってできている複合動詞は、もし漢字を使って表記するならば、前の動詞は漢字にするのが普通だろうと思います。
 次の記事の表記の仕方は異例のように感じられるのですが、いかがでしょうか。

千葉県佐倉市の京成本線の線路沿いの急斜面にすみ着き、話題となった子ヤギ「ポニョ」が、市の農業体験施設「佐倉草ぶえの丘」(同市飯野)に引き取られ、29日から一般公開が始まった。 …(中略)…
 5月21日に脱走し、8月11日に捕獲されるまでの約2カ月半、高さ約20メートルのコンクリートの斜面にすみ着いていた。捕獲後、男性から市へ無償で譲りたいとの申し入れがあり、市が受け入れた。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年8月29日・夕刊、3版、6ページ)

 この記事では、「引き取る」「受け入れる」の2つは、どちらの動詞も漢字で書かれています。このような場合、後ろの動詞を仮名書きにして「引きとる」「受けいれる」としても違和感はないでしょう。
 ところが2回使われている「すみ着く」の表記には、違和感を持ちます。「すみ着く」の「すむ」という動詞は、「住む」と書いて問題はないと思います。うがったことを考えれば、「すむ」は「棲む」という文字を使いたいけれども常用漢字に入っていないから「すむ」としたのかもしれません。
 人が家を建てて住むのは「住み着く」であり、動物の場合は「棲み着く」なのでしょうか。そのような区別は必要でないように思うのですが、新聞社には特別な考えがあるのでしょうか。教えてほしいと思います。
 最近の新聞記事は、平仮名が多くなっています。小学生でも知っているような漢字を仮名書きにすることも行われています。「天声人語」には文字数を合わせるために、しばしば行われているように思いますが、その他の記事にも仮名書きが多いように思います。

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