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2020年10月29日 (木)

ことばと生活と新聞と(251)

「個人の感想」なら、言いたい放題でよいのか


 広告といえども誇大であったり虚偽が含まれていてはいけません。それを追及されることを避ける意図からでしょうか、この頃の放送や新聞の広告には「個人の感想」という言葉が目につきます。
 例えば、こんな一例があります。

 感動体験
 お手軽なのに、角質ケアまで出来る!
 経済的な価格で、うるおいケアや、角質ケアまで出来て期待以上のオールインワン化粧品でした。使い続けたい商品だと確信しました。
     高田様(50代)
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年10月18日・朝刊、13版S、20ページ、アクアビューティーの広告)

 上記の言葉の下の方には、かなり小さな文字で、「個人の感想であり、感じ方には個人差があります。効果・効能を保証するものではありません。」と書かれています。効果・効能を保証しないものを広告に載せてよいのでしょうか。新聞社の姿勢が問われます。
 実はこのページは、記事の体裁を持った全面広告です。記事の体裁をとっている部分には、こんな見出しの文字が並んでいます。

 気になる肌の悩み / ツルンとなめらかに
 ハトムギと杏子でツルツルすべすべ
 「ありがとう」直筆の手紙に奮起
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年10月18日・朝刊、13版S、20ページ、アクアビューティーの広告)

 この会社の製品に問題があるとは聞いておりません。問題はないのでしょう。けれども、広告の言葉には疑問を持ちます。
 このページに書かれていることはすべて「個人の感想」なのでしょう。個人の感想ということであれば、何でも書けます。たった一人でもそのような感想を持てば、書けるのです。そして、「効果・効能を保証しない」ということを書いておけば、責任は問われないのでしょうか。それでは、誇大な言葉や虚偽の含まれた言葉を排除することはできません。倫理にもとるようなことも書くことができてしまいます。
 新聞社にとっては広告収入は大事でしょうが、広告内容(言葉)に責任は持たないということなのでしょうか。「個人の感想」という言葉が、大きな抜け道になっていることを重く認識してほしいと思います。

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