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2020年10月 3日 (土)

ことばと生活と新聞と(225)

女性なら誰でも使う「え、うそー」


 私たちが子どもの頃は、警報が出ているという理由で学校が休校になることはなかったように思います。そもそも警報などという言葉は耳に残っていませんし、荒れていた日にも登校したように思います。
 ところが時には、「明日、台風が来るさかい、学校は休みやぞー。」などと言いふらす悪童がいたりします。そうすると、周りの者が「そのうそ ほんまかー? そのうそ ほんまかー?」などと言い立てます。嘘のように聞こえるが、それは本当か、という意味です。「うそと ちゃう(違う)か。」とも言います。よほど確信がなければ「うそや。」と決めつけることはできません。
 現在の言葉として、「え、うそー。」というのを耳にすることがありますが、一気に嘘と決めつけることを、かつてはしていなかったように思います。子どもたちの場合であっても、昔の方が、言葉を慎重に使っていたように思います。
 「うそ」という言葉を、例えば『三省堂国語辞典・第5版』では3項目に分けて説明していますが、その③は次のような説明になっています。

 ③意外なことを見聞きしたときに、思わず言うことば。〔おもに女性が使う〕「う(っ)そう!」

 品詞は名詞として扱われていますが、③の「う(っ)そう!」は名詞でなく、感動詞と考えるべきではないでしょうか。
 「おもに女性が使う」という説明には納得しますが、この言葉は年齢に関係なく使われているのでしょうか。若い人たちに限られるということはないのでしょうか。
 さて、安倍晋三首相が辞任する意向を表明した8月28日を、時刻の流れとともに記録した記事に、次のようなことが書かれていました。

 14:15 橋本聖子・五輪相が秘書官から差し出されたスマートフォンで、首相が辞任の意向を固めたとのニュースを確認。「え、うそー。辞任の意向?」
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年8月29日・朝刊、14版、4ページ)

 この記事の見出しにも大きく、〈橋本五輪相、スマホ見て「え、うそー」■小泉環境相「全党員投票が一番」〉と書かれていました。
 五輪相は女性ですから国語辞典の説明と合致しています。「え、うそー」は小さな子どもから、政治家に至るまで使うから、国語辞典に使用年齢層の記述がなかったのかもしれませんね。

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