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2020年10月10日 (土)

ことばと生活と新聞と(232)

「なんぼ」「いくら」の意味


 淡路島でシラスの天日干し作業が最盛期を迎えているというニュースが、写真とともに紹介されていました。こんな記事です。

 兵庫県淡路市で、特産のシラスの天日干し作業が最盛期を迎えている。同市の神戸水産では、近海でとれたシラスを、多い日には3トンほど出荷している。
 水揚げされたシラスを釜でゆで、乾燥機にかけた後、網にのせて干す。晴れた日だと2時間ほどで乾き、天日で干すことで色がより白くなるという。作業は12月まで続く。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年9月8日・夕刊、3版、7ページ、西岡臣)

 記事は全文を引用しましたが、大きな写真に添えられた見出しは「干されてナンボ」となっています。
 「なんぼ」は関西方言から広がった言葉でしょうが、今では全国で通用します。その「なんぼ」を『三省堂国語辞典・第5版』では、次のように説明しています。

 ①どれほど。いくら。「- でもやったるで・〔代金が〕これ - ?」
 ②どんなに。「- しんどくても」

 他の国語辞典の説明も同じような様子であると思います。
 見出しに使われている「干されてナンボ」は、疑問を表す言葉ではありません。「天日で干すことで色がより白くなる」ので、値打ちがあがった品物になるということです。「ナンボ(のもの)」ということで、価値が高まったもののことを表しています。これは、「いくら」という言葉でも同じです。品詞は副詞のままかもしれませんが、名詞に近い働きをしているのです。
 国語辞典は、カタカナ外来語を載せることも必要でしょうが、本来の日本語(和語・漢語)の意味の変化(広がり)に注意を向けることこそ、もっと大切であると思います。

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