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2020年10月19日 (月)

ことばと生活と新聞と(241)

「課金」という言葉


 ときどき「課金」という言葉を見ることがあります。「課金」とは、料金を課すことだと思っていました。例えば駐車場には有料のところと無料のところとがありますが、有料のところは時間に応じて、駐車料を払う必要があります。このような〈料金を払うよう求められる〉場合に「課金」という言葉が使われると思っていました。
 ところで、この「課金」という言葉遣いは、2000年前後に作られた国語辞典には載っていないようですから、比較的新しい言葉であると言ってもよいのでしょうか。
 この「課金」が話題となっている記事がありました。

 小学1年の長男と遊んでいた同級生の男の子が、「スマホゲームを始めたんだ」と言った。社会問題となっている高額な課金が頭にあり、「それ、課金?」と聞くと、「違うよ、ひかきんだよ」という答えが返ってきた。
 私が「非課金なら大丈夫だね」と安心したのだが、横で話を聞いていたママ友たちから一斉に突っ込みを受けた。「『非課金』じゃなくて、『ヒカキン』よ」
 彼は、ゲームを実況しながらプレーする人気ユーチューバーのヒカキンさんに憧れ、同じゲームを始めたのだ。将来の夢も「ユーチューバー」だった。
 (読売新聞・大阪本社発行、2020年9月15日・夕刊、3版、8ページ、「キーボード」、喜多俊介)

 記者は「非課金なら大丈夫だね」と安心したと書いていますが、これはどういう意味なのでしょうか。スマホゲームの使用料という意味であれば、ゲームを楽しむための〈料金を払うよう求められる〉という意味です。無料だから安心というのです。
 もうひとつ考えられることは、そのゲームを友だち同士で〈お金を賭けてやっている〉という意味のようにも受け取れないことはありません。お金を賭けているのではないから安心というわけです。
 「課金」という言葉を、例えば大人が麻雀などでお金を賭けて行うことに使っても、(言葉遣いとしては)おかしくないし、現にそのような使い方が行われているのではないかと推測するのです。
 それにしても、「課金」という言葉が日常語として使われるようになった歴史は浅いのですが、もし、拡大した意味(金を賭けるということ)でも使われるとすれば、便利な言葉ゆえに、使用が拡大することになるように思われます。

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