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2020年11月25日 (水)

ことばと生活と新聞と(278)

ランキングと世論調査


 大晦日の紅白歌合戦の時期が近づいてきました。一大行事のようですが、NHKの番組に過ぎません。誰に出場させるかと判断は、NHKの内部で、ある意味では厳正に討議されているのでしょう。視聴者から、〇〇という歌手を出してほしかったというような不満が出るかもしれませんが、そんな要望にすべて応えることはできないでしょう。
 ところが、前回取りあげたランキングのようなものになると客観性が必要です。記事によると「各地の認知度や訪問経験など84項目について約3万2千人から回答を得て、地域や人口比などを考慮して再集計した」とあります。84項目がどのような内容であるのかは読者にはわかりませんし、約3万2千人がどのような地域の、どのような年齢層であるのかなどはわかりません。それを地域や人口比などを考慮して再集計しても、その集計の仕方に客観性があるのかどうか判断できません。
 世論調査に関して、こんな解説記事がありました。

 今もネット上で多くの調査が行われていますが、その方法は様々です。サイト上にアンケート画面があって、誰でも回答できるようになっているのを見たことがあるでしょうか。 …(中略)…
 しかし、こうしたやり方では、そのサイトやツイートを見た人しか回答しないため、世論調査とは言えません。どうしても、そのサイトやツイートの内容に興味や関心を持つ人たちの回答に偏りがちです。
 世論調査では、対象者全体が全国の「縮図」となるよう、無作為(ランダム)で選ぶ必要があるのです。
 (朝日新聞・大阪本社発行、2020年6月26日・夕刊、3版、7ページ、「世論調査のトリセツ」、江口達也)

 調査対象者が無作為で選ばれていないような「47都道府県の魅力度ランキング」の順位にどれほどの信頼性があるのでしょうか。調査対象者が無作為に選ばれていても、菅内閣の支持率は、報道各社でかなりの差が出ているのです。それは新聞社自体が右寄りであるとか左寄りであるとかということではないでしょう。質問の文言ひとつで答え方にも影響が出るのです。
 しかも、新聞社や放送局などが行う世論調査は、それぞれの項目ごとに結果が示されますが、「47都道府県の魅力度ランキング」のように全部まとめて順位を付けるというのは乱暴です。そんな総合順位は意味を持たないということがわかっていないようです。
 「ブランド総合研究所」というところは、ひとつの話題作りを行っているに過ぎず、県知事などが真剣に対応しなければならないものではないでしょう。しかも、新聞社がこのような話題を大げさに取りあげるのは、どういう理由があるからなのでしょうか。

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